
この記事では
・鹿児島にコストコがない理由や背景
・今後の出店の可能性
・出店によるメリット・デメリット
・最寄りのコストコ店舗や県内の再販店
について、鹿児島在住歴5年、コストコ歴26年の経験から情報と考察をまとめましたので参考になれば幸いです。
コストコとは

会員制のスーパー
コストコは会員制スーパーです。2025年4月現在全国に37店舗あり、会員であればどの店舗でも入店でき、1人の会員につきプラス2名まで(18歳未満であれば何人でも)一緒に入店可能です。
年会費
個人会員はゴールドスター(年会費5,280円)、エグゼクティブ・ゴールドスター(年会費10,560円)の2種類があります。年に1〜2回しか利用しない場合、割高に感じられる金額です。
大きな倉庫の中に大容量の商品がたくさん
コストコはアメリカの企業のためほとんどの商品がアメリカンサイズです。また、日本のスーパーでは見かけない商品も多いです。
2025年時点で鹿児島にコストコは無く、出店予定情報も無し
2025年9月現在、残念ながら鹿児島にコストコが出店する情報はまだない状況です。
出店条件と鹿児島にコストコが出店していない理由の考察
まず、コストコ公式サイトに記載されている以下の出店土地条件を満たす必要があると考えられます。
・半径10kmの人口が概ね50万人以上
・企業が多い地域
・敷地面積 15,000坪以上(ガスステーション用敷地を含む)
・建築面積 約4,500坪
・用途地域 準工、商業、近隣商業(売り場面積1万㎡超)*市街化調整区域内でも行政の許可があれば可
・駐車場収容台数 800台以上
・車のアクセスの良い物件
・購入・定期借地(40年以上)・建貸
半径10kmの人口:概ね50万人以上
鹿児島市の人口は2024年で約59万人、半径10kmなので鹿児島市中心部付近では条件はクリアしていると考えられます。
企業が多い地域
企業数など明記されているわけではないので、こちらの条件に関しては曖昧です。ただし、鹿児島市にも企業は多くあり、御船倉庫店のある熊本などとも比較しても決して少ないとはいえないと思います。
敷地面積:15,000坪以上、建築面積 約4,500坪
県内でも大きなイオンモール鹿児島の敷地面積だと約33,000坪もあり、その約半分の面積が確保できれば条件クリアとなります。ただし、現状鹿児島市内でそのような敷地が確保できる場所の候補がない場合、この敷地面積が鹿児島に出店できていない理由の一つとなっている可能性も考えられます。
用途地域:準工、商業、近隣商業(売り場面積1万㎡超)
敷地面積に加えて用途地域の条件があり、この二つの条件の達成が鹿児島にコストコを出店するための大きなポイントとなるのではないかと考えられます。
用途地域条件から鹿児島市で出店できそうな地域
日本の都市計画では、土地ごとに「用途地域」が定められており、建てられる建物や用途に制限があります。コストコ出店の条件の地域を「かごしまiマップ」※1 の都市計画マップで確認すると、フレスポジャングルパークのある与次郎付近、鹿児島中央駅や天文館などの中心部が商業地域、その周辺が近隣商業地域でした。また、準工業地域はフェリーターミナルのある鹿児島港付近などでした。それらの鹿児島市内の商業地域や近隣商業地域ではすでに多くの商業施設が建っており、土地がないと思われます。また、準工業地域もフェリーターミナルや企業の工場、倉庫などが建っているため難しいかと思われます。
※1 かごしまiマップ
https://www2.wagmap.jp/kagoshima/Portal
交渉で開業できた例もあり
イオンモール鹿児島を再度例にとると今建っている場所は工業専用地域ですが、鹿児島市との交渉により開業することができております※2 。そのため土地の確保と交渉次第ではコストコも出店可能ではないかと考えられます。
※2 Wikipedia「イオンモール鹿児島」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%B9%BF%E5%85%90%E5%B3%B6
駐車場収容台数:800台以上
こちらも土地の確保による条件です。大きな駐車場の必要性として少ないと店舗倉庫内に入れる人が少なくなる、駐車場待ちによる周辺の交通渋滞がひどくなるなどのデメリットを軽減するためと考えられます。
車のアクセスの良い物件
ただ広い土地を確保すれば良いということではないのも条件として厳しいです。コストコに限った話ではないですが、アクセスの良さも重視されます。例えば高速道路に近い場所、人の多く住んでいる地域の近くなど、道路環境が整った場所に出店されます。
購入・定期借地(40年以上)・建貸
長く店舗を維持するためには集客はもちろんのこと、長い期間土地を確保することも必須になります。
現状出店可能なパターン考察
コストコが求める敷地面積と用途地域条件が最もハードルが高いと考えられます。現状鹿児島市で出店可能な地域を考えるとすぐに敷地面積15,000坪以上を確保できる場所がなさそうです。しかし、今後用途地域条件内で大きな商業施設やその他施設が撤退する場合は土地を確保し出店できる可能性があります。とはいえコストコ以外にも土地を狙っている企業があると考えられ、争奪戦となりそうです。また、現状工業地域に指定されている場所でも交渉により開業できた例もあり、コストコも交渉次第では出店可能ではないかと考えられます。
出店によるメリット
地域経済の活性化
コストコはスーパーとは異なり、遠方からの集客力も強い特徴があります。そのため遠方から来た人が出店地域で消費行動を行うことで地域全体の経済が活性化します。例えばコストコに行くついでに近くのカフェでランチ、観光スポットに立ち寄るといったことが挙げられます。
雇用の創出
コストコは大型の会員制スーパーであり、従業員がそれなりに多く必要です。本社で採用した人のみで店舗を営業することはほぼ不可能なため、近くに住むアルバイトやパートなどの人材が必要不可欠です。
地元産商品の売り上げ促進
コストコでは地元の商品を店舗・地域限定などで取り扱うこともあります。例えば地元で有名な食品や特産物の大容量版の販売です。地元企業にとっては売り上げ増加が見込まれ、さらに他店舗・地域へ展開といったことも期待されます。
出店によるデメリット
店舗周辺の交通渋滞
出店計画が白紙になることも
地域住民が最も懸念する点が交通渋滞です。この懸念が払拭できず、地域住民の反対により出店計画が白紙になったという話を多々聞きます。
店舗によって渋滞の程度は異なる
実際渋滞がひどくなるというのは店舗によって程度が異なり、ひどい場合だと2024年8月にオープンした沖縄南城倉庫店ではオープンして1ヶ月後でも慢性的な渋滞が続き、迂回ルートの案内や、市がコストコ用の交通渋滞サイトを公開する対策まで行われております。一方で同時期にオープンした滋賀東近江倉庫店では数日で渋滞は解消し、コストコ開店による影響は限定的でした。
渋滞の程度が異なる理由の考察
沖縄では道路が狭くアクセスできる方向が限られ車が集中したことや、県内初出店による期待で非常に多くの人が訪れたことなどが考えられ、滋賀では近隣に車で1時間程度で行けるコストコが数店舗があったことで来客が分散されたと考えられます。
鹿児島にもしオープンしたら・・・
鹿児島にもし店舗がオープンした場合、近隣のコストコが遠かったために初めはかなりの交通渋滞が起きるのではないかと思います。その後慢性的な渋滞になるかは県民の定着度や店舗の立地によると考えられ、特に沖縄のように周辺道路が狭くアクセスできる方向が限られる場所に店舗があると渋滞が長引く可能性が考えられます。
賃金の高さによる人材流出
コストコのアルバイト・パートの時給は1,500円からが多く、鹿児島の最低賃金である1,026円(2025年11月より)から考えるとかなり高いといえます。これは周辺地域から人材が流出し人手不足になることが懸念されます。特に高額な時給を出しづらい小規模経営の企業などに大きな影響を及ぼしかねません。ただし、これに関してはコストコが出店する、しないに関わらず、少子高齢化による人手不足で顕在化している問題でもあるため国レベルでの抜本的な対策が求められると思います。
鹿児島県から近い最寄りの倉庫店舗とアクセス方法
2025年9月現在、最も鹿児島県から近いコストコは熊本県の御船倉庫店です。鹿児島市内からであれば高速道路を利用し車で約2時間かかります。なお、鹿児島ICから御船ICまでの料金は片道4,100円(ETC休日割引2,870円)です。
鹿児島県内のコストコ再販店
コストコは「ホールセール(卸売、大口取引)」を対象として展開しており、日本でいうと業務スーパー的な業態のため、再販店がオープンするのが自然な流れです。再販店はコストコ倉庫店よりも割高ですが、年会費が不要、住んでいる地域の近くにある、少人数向けに小分けにして販売されているものもあるといったメリットがあります。2025年9月現在で、鹿児島県内にあるコストコ再販店(3店舗)をまとめました。
コストトレーダーマート 鹿児島店
コストトレーダーマートは2025年9月現在、全国に8店舗展開しており、再販店として更なる店舗展開を目指すとのことで、比較的大きめな再販店です。鹿児島店はフレスポジャングルパーク内にあります。
コストコ専門店 LA STORE(エルエイストア)
薩摩川内市にある再販店(コストコ専門店)で、商品は限られますが全国どこでも配送しており、店舗受け取りで配送料無料となります。薩摩川内市と近隣地域で無料宅配サービスも行っているようです。
KOSTOCK
KOSTOCKは出水市にある再販店で、2024年にオープンしました。県内では比較的コストコ店舗(熊本御船倉庫店)に位置しており、大きくはない店舗ですが週3回商品が搬入されるようです。
まとめ
2025年現在、鹿児島県にコストコが出店する情報はありません。鹿児島市内であればコストコの出店条件はいくつかクリアしていそうですが、特に土地の確保が難しいのではないかと考えられます。また、出店に伴う交通渋滞悪化などの懸念があり、周辺住民の理解も必要不可欠です。条件をクリアできれば出店の可能性はあると考えられ、遠方からの集客による地域経済の活性化や雇用の創出などが期待されます。
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